2015年1月6日火曜日

生ある内で一番恐怖を感じた釣行!



 
1月04日(日)
 
~ 長州島・チャンジャオ島 ~
 
 
 
 
 
南半球・ニュージーランドで
 
最も過酷な釣りは?
 
と釣り人に問えば
 
誰もが声を震わせながら

こう答えてくるという。
 
 
『 ROCK FISHING 』
 
和名
 
『 磯 釣 り 』
 
 

 という事で本日は果敢にも

磯を攻める事にした。
 
 
NさんとN婦人と
 
そして過去にダイワ杯優勝のMさんと
 
中環埠頭で待ち合わせたのは7:00AM。
 
 
此処から、
 
フェリーに揺られる事約45分前後が経過すると
 
冬空の太陽が
 
長州島の全景を照らしだす。
 
 
清々しい空気に包まれた海辺の街は
 
どこか哀愁漂う田舎の漁村の様な影が映っている。
 
 
小舟の停船場
 
 
 
磯に上がってからでは身動きが取れない為
 
全ての準備をこの中継ポイントで
 
整えておかなければならない。
 
到着すると同時に
 
朝一番から唯一営業している
 
釣具屋に脚を踏み入れ
 
集魚剤・オキアミ・砂エビなどを買い込み
 
飲料品・食糧などを購入した。
 
左N氏(リミテッドプロ赤) 右M氏(DAIWA黒)
 
N氏婦人、荷物番。

 
準備が整い、小舟に乗り継いで
 
本日の磯場を目指す。
 
 
潮の満ち引きを見ながら安全なタイミングで
 
磯に飛び移り、荷物を手早くバケツリレーで渡し
 
人も道具も皆無事に上がった。
 
 
この時に船のおばちゃんが
 
 『 潮次第では迎えに来れるか分からない。

岩が剥き出しになったら

船がつけられるかどうか。。 』

という言葉が聞き取れ

少し心配になったのだが
 
Mさんが大丈夫だというのと

迎えに来れないなんてことは

無いだろうという気持ちで
 
左程、気にしてはいなかった。
 
 
自由に身動きが取れる場所は横幅15m前後だろうか。
 
BB-X special MZ

早速、準備に取り掛かる。
 

先にコマセを撒いておく。
 
N氏スペシャルブレンド
 


棚、竿丈1.8
 
10m弱に合わせ、浮き止め糸を止める。
 
浮きは視認性の高い棒浮きを使用した。
 
 
狙うは
 
 
白バラ・南洋・黒・真鯛・

(グレは厳しい)
 
など
 
日々、磯師達が狙っている一級魚達だ。
 
 
時合いの夕方までは本腰を入れずに適当に流し
 
15:00前後から、力を入れ始めた。 
 
浮きをBに変えハリスを2.5号にし
 
全層仕掛けに変更して攻める。
 
 
 
 
 
 
 Mさんも頑張っているが
 
クサフグの猛攻にあっていた。
 
が、

人の事を言えたもんではない。
 
私は

極少カサゴ祭りに喘いでいたのだ。
 
 
 小の極み
 
 
 少し本格的にやり始めた所で
 
渡してもらった渡船からMさんに連絡が来た。

その内容は

『 来れない 』 という事だった。

 
急遽他の船に連絡を試みることになり

Mさんが必死に説得してくれている。

その結果、その船は
 
『 16:30であれば迎えに来れるらしい 』

ということになり、

一安心できたのだが

 
『 潮が動き出し、時合いはこれから! 』


という時間には
 
荷物を片付けなければならくなってしまうので
 
残念さが極まる。

しかし、迎えに来てくれないと

最悪の事態になりかねないので、

迎えに来てくれるだけでも

ありがたい事と感謝しよう。
 
 
『 こうなったら 』
 
『 残りの数十分にかけるしかない。。。』
 
 
余計な動きはせず、微動だにせずに

本気で勝負している最中


『 16:30の船も来れない 


という事を告げられた。


『 ・・・・・・・・? 』

『 えっっ!!?』

『 来れない!?』

『 な、なんで? 』
 
『 どうしましょ、帰れない??? 』

 
M さん 『 此処を歩いて行くしかないです 』

私  『 何処?? を歩きますの?? 』
 

『 え!?どちらです?横から上から???』
 
『 見た感じ、どちらも道は無さそうですが。。』
 
 
Mさんが再度、知人に電話確認をおこない
 
上の方から歩いていける

獣道ルートを確認してくれた。

 
その道で歩くと45分位かかという。。。
 
 
『 まじですか。。。 』
 
『 本当にそこを行くしか方法はないんですね。。。』 
 
 
覚悟を決め
 
 両手にバッカン、肩にロッドケースを掛け
 
磯の重量級の荷物を担いで登り始める。
 
直ぐ様
 
荷物を持ちながらなんて到底考えられない

無理な難所が待ちかまえていた。

Nさんの後ろ絶壁。落ちたらOUT。
 
 
 
荷物をバケツリレー方式に切り替え、

皆で声を掛けあって上に上に運ぶ。
  

 
『 此処、石崩れるよー! 』
 
『 此処、滑るから気を付けてー!』
 

 
慎重に一歩一歩を確認しながら
 
ロッククライミングを開始する。
 
 
上に行けばいくほど
 
急斜面に乾いた砂が被っており
 
足が滑ってもっていかれる。
 
 
自身が持ちうる最大限の注意を払いながら
 
落ちない事’ だけを祈り
 
下を見ないように上だけを見て進んで行く。
 
 
高所が苦手な私は登るにつれて
 
段々と恐怖心が増してしまい、足が震え出していた。
 
 
『 Nさーん、大丈夫!?気をつけてよ! 』

 
這いつくばってこの高さまで無事に上がって来た。
 
 
枯れかかった冬草は握っても、
 
直ぐにもげ剥がれてしまう。
 
草を掴んで体重を乗せるのは危険なため
 
岩を掴んで必死に登っていく。 
 
奈落の底は御免だと
 
全神経を研ぎ澄まし登ってきた結果
 
何とか頂のてっぺんまで来ることが出来た。
 
 
 足場が確保でき、一安心。
 
 
見てください!この高さ!
 
 
さらには相当量の荷物を担いできたんです。
 
 
 フェルトスパイクに砂が目詰まり、
 
草を踏んだだけで滑る。

しかし、

絶壁の岩場の箇所でこの靴が無かったら

全員登れなかっただろう。

やはり、磯はフル装備でいかなけば駄目だ。。。

 
登りきって安心していたのだが

更なる恐怖が続くことになる。


頂から繋がる

傾斜がつき平行でない獣道を

歩かなければならないのだ。

道筋を目視確認できるのだが、

その筋を目で辿っていくと

絶壁沿いに沿って繋がっていたのだ。

30cm、酷い所では20cm

横へ滑ってしまったり

脚を絡ませて転んだりしてしまったら

転落し
 
『 THE END 』 となってしまうだろう。
 
 
なるべく崖と反対側である右側に重心を掛けて
 
只、歩き続ける。
 
『 此処、滑るよー!! 』
 
『 此処、気を付けてー!! 』
 
と皆慎重に慎重に歩いているのだが
 
途中、N婦人が
 
獣道が途切れかかっている傾斜のきつい
 
砂坂に足をもっていかれ、
 
滑って転倒してしまい
 
非情に焦った一面があったものの
 
何とか無事に助かって良かった。
 
普段の一歩が百歩以上に感じる
 
厳しい道ながらも
 
無事に
 
足場の最も良い場所まで辿り着き
 
登頂記念の写真を撮ることが出来るまでの
 
余裕が出て来た。
 
 
* 本当に危ない所は写真撮る余裕がありませんでした *
 
 長州島、最高峰の頂にて一枚 (パシャ!)

 
そして、又、この写真後ろの獣道を歩いて行き、
 
今迄歩いて来た道のりをふと
 
振り返り見てみる。
 
 
あそこの下から這いつくばってきたのか。 
 
 
この景色、登った人にしか見れません。 
 
 
トレッキングコースの本線に到着し
 
普通に舗装された道に感謝し
 
踏みしめては喜びを感じる。
  
 
 
あの端から、生還したのか!
 
改め感極まって暫く皆で眺めていると
 
心配になったのか?
 
当初乗ってきた渡船が磯場付近に来て
 
徘徊しながら
 
我々を探している様子が
 
見受けられるではありませんか!!!
 
『 今更、何なんだ! 』
 
『 何やってるんだよ!
 
こっちは危うく死ぬとこだったよ!! 』
 
と文句を言ってみたのだが
 
声など届く筈もない距離であった為
 
無駄な体力を浪費しないよう
 
静かにその船が行くのを眺めていた。
 
重点的に探してくれている感じが見て取れたので
 
本当に心配してくれていたのであろう、
 
同時にその場所に人影が無いことに
 
さぞかし驚いていただろう。
 
 
 
 
 
一時の休憩を終え

この階段を登って来たのだが

ここに来て急に

脇腹筋がつりそうになり、

かなり痛みだした。

それは

張りつめていた筋肉達が

安堵感で満たされ一気に緩んだ

瞬間であった。


そして、私は心の中でこう呟いた。

『 いいよ、今だったらどれだけつって痛んでも 』


 もう、後は何ていう事は無い。

荷物は重いが

舗装された道筋を下って行けばいいだけだから。

 
トレッキングロードを軽快に下って行く。
 
 
 
このまま、無事に下山し
 
人影が多くなってきたのを感じ
 
更に安心感が増し、腹が減り始めた。
 
 
危険な道を歩いてくることを知っていた
 
MさんとNさんの友達のFさんが
 
迎えに来てくれており
 
合流してレストランに入り 
 
ビールを頼む。
 
 
乾杯の掛け声は言わずとも皆同じだ。
 
 
『 皆無事でよかったよ!
 
生還に乾杯! 』
 
 
最初に “ ぐいっ ” といった
 
一口目の味は
 
一生涯忘れることが出来ないだろう。 
 


 『 荒 磯 』


この釣りこそ

最も過酷な釣りだと言われる由縁が

身に染みて分かった気がした。


 

当日の釣果 :

坊主

使用タックル :

リール : デスピナ2500・テクニウム等

ライン  : セミフロート2号 ハリス1.75 ~ 2号

ロッド   : BB-X・ファイアーブロッド・プロテック等
 
浮き   : 黄桜・宮之浦 00、0、B

釣行時状況 :

晴れ・十三夜・満潮20:45・干潮13:50・水温17.4 

4 件のコメント:

  1. 大変でしたね。。
    無事生還できて何よりです。
    いやーコワイコワイ

    返信削除
    返信
    1. 本当に大変でしたよ。あの場所にはもう行かないと思います。
      行きたいなら場所教えますよ!!!

      削除
  2. あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年明けからまたすごい経験でしたね。釣果なんてどうでもよくなる。写真見てただけできゅーっとなりました。

    返信削除
    返信
    1. あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
      無事に帰還し、安堵しすぎて釣果のことはすっかり忘れてました。。。

      削除